FIA世界耐久選手権(WEC)は、世界最高峰の耐久レースシリーズであり、伝説的なル・マン24時間レースを含む全8戦で構成されます。
WECは、世界で最も有名で過酷なサーキットにおいて、短いものでも6時間に及ぶ長距離レースで、ドライバー、マシン、チームの限界を試します。レースの長さに応じて、2名または3名のドライバーで1台の車両を走らせます。
現在のWECシリーズは2012年に始まりましたが、世界耐久選手権レースには長く象徴的な歴史があります。ル・マン24時間レースは1923年に初めて開催され、世界で最も古いレースのひとつです。また、現在のWECの前身であるスポーツカー世界選手権は1953年に創設されました。
このシリーズには、最高レベルでの技術を鍛えるために、多くの名門自動車メーカーやドライバーが集まります。2026年のWECには、トヨタやレクサスを含む14のマニファクチャラーが参戦予定です。
WECのレースでは、ハイパーカーとLMGT3という2つのカテゴリーの車両が走行しますが、ル・マン24時間レースではさらにLMP2カーも加わります。ハイパーカーは耐久レースの頂点に位置するカテゴリーであり、トヨタのTR010 HYBRIDもこのクラスで戦っています。
ハイパーカーはクローズドコクピットのプロトタイプ車両で、全長は5,000mm未満、最大全幅は2,000mm、最低車高は1,150mmと定められています。エンジンの種類に制限はなく、ハイブリッドシステムの搭載も認められています。
ハイパーカーにはバランス・オブ・パフォーマンス(Balance of Performance)システムが導入されており、レース毎に競技車両の重量やパワーが調整されます。基準重量は1,030kgで、エンジンとハイブリッドシステムの合計出力は520kWと定められています。すべてのハイパーカーはミシュラン製タイヤを装着して競技に参加しています。
| 順位 | 6時間レース | 8時間または10時間レース (カタール戦を含む) | ル・マン24時間 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 25 ポイント | 38 ポイント | 50 ポイント |
| 2位 | 18 ポイント | 27 ポイント | 36 ポイント |
| 3位 | 15 ポイント | 23 ポイント | 30 ポイント |
| 4位 | 12 ポイント | 18 ポイント | 24 ポイント |
| 5位 | 10 ポイント | 15 ポイント | 20 ポイント |
| 6位 | 8 ポイント | 12 ポイント | 16 ポイント |
| 7位 | 6 ポイント | 9 ポイント | 12 ポイント |
| 8位 | 4 ポイント | 6 ポイント | 8 ポイント |
| 9位 | 2 ポイント | 3 ポイント | 4 ポイント |
| 10位 | 1 ポイント | 2 ポイント | 2 ポイント |
| 順位 | No | マニュファクチャラー | ドライバー | 総合 |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | #007 | Aston Martin | Harry Tincknell / Tom Gamble | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 2 | #009 | Aston Martin | Alex Riberas / Marco Sørensen | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 3 | #12 | Cadillac | Will Stevens / Norman Nato | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 4 | #15 | BMW | Kevin Magnussen / Raffaele Marciello | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 5 | #17 | Genesis | André Lotterer / Luis Felipe Derani / Mathys Jaubert | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 6 | #19 | Genesis | Mathieu Jaminet / Paul-Loup Chatin / Daniel Juncadella | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 7 | #20 | BMW | Robin Frijns / René Rast | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 8 | #35 | Alpine | António Félix da Costa / Charles Milesi / Ferdinand Habsburg | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 9 | #36 | Alpine | Frédéric Makowiecki / Jules Gounon / Victor Martins | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 10 | #38 | Cadillac | Earl Bamber / Sébastien Bourdais | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 11 | #50 | Ferrari | Antonio Fuoco / Miguel Molina / Nicklas Nielsen | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 12 | #51 | Ferrari | Alessandro Pier Guidi / James Calado / Antonio Giovinazzi | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 13 | #7 | TOYOTA RACING | Mike Conway / Kamui Kobayashi / Nyck De Vries | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 14 | #8 | TOYOTA RACING | Sébastien Buemi / Brendon Hartley / Ryō Hirakawa | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 15 | #83 | Ferrari | Yifei Ye / Robert Kubica / Philip Hanson | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 16 | #93 | Peugeot | Paul Di Resta / Stoffel Vandoorne / Nick Cassidy | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 17 | #94 | Peugeot | Loïc Duval / Malthe Jakobsen / Théo Pourchaire | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 順位 | マニュファクチャラー | 総合 |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Aston Martin | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 2 | TOYOTA RACING | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 3 | Cadillac | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 4 | BMW | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 5 | Genesis | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 6 | Alpine | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 7 | Ferrari | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |
| 8 | Peugeot | 0 | · | · | · | · | · | · | · | · |

例年開催されるプレシーズンのプロローグは、2026 FIA 世界耐久選手権シーズンの開幕戦前、4月14日火曜日にイタリアのイモラで開催されます。
今年のプロローグは、当初ルサイル・インターナショナル・サーキットでの開催が予定されていましたが、シーズン開幕戦であるカタール1812kmレースの延期に伴い開催地が変更されました。
これにより、イモラが初めてプロローグの開催地となり、2013年にプレシーズンテストが導入されて以来7番目の開催サーキットとなります。これまでにプロローグを開催したのは、ポール・リカール、モンツァ、バルセロナ、スパ=フランコルシャン、セブリング、ルサイルです。
従来の2日間のプロローグとは異なり、1日でのテスト開催となるため、2025年シーズン最終戦バーレーン以来、ハイパーカーの全参加車両が同時にコースに出るのは今回が初めてとなります。合計で8時間の走行時間が2セッションに区切られて実施されます。
ドライバーとエンジニアは、4.909kmのイモラ・サーキットが持つ20のコーナーに合わせたセッティングにTR010 HYBRIDを微調整するとともに、ミシュランのタイヤコンパウンドの性能と耐久性を比較検証します。
また、テストデーはWEC関係者が開幕前にレースコントロールシステムを確認する機会でもあり、機器やシステムの準備状況を確かめるために、フルコースイエローやセーフティカーのシミュレーションが実施される場合もあります。


1953年にオープンしたイタリアのアウトドローモ・インテルナツィオナーレ・エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ(通称イモラ)は、世界でも有名なサーキットの一つです。WECとしては2024年からイタリア戦をここイモラで開催しており、過去7回の世界耐久選手権レースを実施しています。
マラネロから約90kmに位置するこのサーキットは、フェラーリ創業者と息子の名を冠し、地元の熱心なファンで毎回大盛り上がりとなります。
トヨタにとっても相性の良いコースで、2024年は変わりやすい天候を生かした戦略で勝利。翌年もダブル入賞を果たしました。
緑豊かな丘陵地帯に位置する4.909kmのコースは景観も美しく、大きな高低差があり挑戦的なレイアウトです。コース全体の多くが全開走行ですが、中高速コーナーには高いダウンフォースが必要。シケインでは縁石越えの安定性が重要となります。
幅の狭いコースのため追い抜きは難しく、昨年はセバスチャン・ブエミが地元フェラーリ#50の猛追を何周も耐え守り切った姿が印象的でした。


ベルギー・アルデンヌの森に位置するスパ・フランコルシャンは、ドライバーにもファンにも愛される高速レイアウトが魅力のサーキットです。1953年の世界選手権創設時から登場し、1966年には現在の6時間レースの前身となる1000kmレースを開催しました。
全長7.004kmはル・マンに次ぐ長さで、「オー・ルージュ〜ラディヨン」や「プーオン」「ブランシモン」など世界的に有名なコーナーを擁します。
このレースは単独でも特別ですが、ル・マン24時間レースの前哨戦としても重要な位置づけとなっています。高速セクターがル・マンと似ており、セッティングにも共通点があります。
トヨタは、現代WECでのスパ戦では13回中8勝を挙げ、そのうち2017年から7連勝という記録を保持しています。またドイツ・ケルンのチーム拠点からわずか120kmと近く、トヨタにとって「富士」と並ぶセカンドホームレースでもあります。


耐久レースの最高峰「ル・マン24時間レース」は、他にはない過酷な挑戦の舞台です。
コースは常設サーキットと公道を組み合わせており、特にミュルサンヌ(Mulsanne)ストレートは高速かつ路面が荒く、壁も近く危険性が高い区間です。
1923年の初開催以来、自動車技術の場として様々な革新を生み出してきました。トヨタは2012年以降、ハイブリッドパワートレインのみで参戦しています。
シリーズ唯一の24時間レースであるル・マンは、耐久性と集中力の限界を試します。水曜・木曜の夜間予選、金曜のドライバーズパレードなど、レース外のイベントもファンに人気です。
今年でトヨタのル・マン挑戦は28回目。これまで26大会、63台が参戦し、5回の総合優勝、18回の表彰台、8回のポールポジション、2017年には小林可夢偉が史上最速ラップを記録しました。このレースに勝利すればダブルポイントが与えられ、シリーズ制覇にも大きく影響します。


WECは南米で唯一のイベントとして、ブラジルの熱烈なファンが待つ歴史あるインテルラゴスのサーキットでチームとドライバーを迎えます。
全長4.309kmの反時計回りのコースは、市街地の住宅街に囲まれたコンパクトで起伏のあるレイアウトが特徴。コーナーが連続して現れ、休む暇がありません。ホームストレートにも高速のターン15が含まれ、1コーナー下り区間が最大の追い抜きポイントです。
低速の第2セクターでは混雑が大きな問題となり、LMGT3クラスの車の後ろでタイムを失うことも珍しくありません。
トヨタはここで2012年の初勝利、2014年の初メーカーズタイトル獲得など重要な節目を迎えてきました。ブラジルでの戦績は2回のポールポジションと2勝です。


WEC唯一の北米戦となるのが、テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ。世界の有名コーナーをモチーフに設計され、2012年にオープンしました。
全長5.513kmの反時計回りコースは、ターン1に向かう急坂、続く高速スイープ、そして後半のテクニカルな区間で構成されます。中でもターン12は時速300km以上から60km/h以下まで減速する、シーズン最も重いブレーキングゾーンの一つです。
設計にはシルバーストンの「マゴッツ〜ベケッツ」、イスタンブールパークのターン8、ホッケンハイムのスタジアムセクションなどが参考にされました。
トヨタはここでまだ優勝がなく、最高位は2013年、2020年、そして昨年2024年の2位。唯一のポールポジションは2014年に獲得しました。


富士スピードウェイはTOYOTA RACINGにとって特別な存在であり、毎年重要なレースと位置づけられています。
東京から西へ約100km、東富士研究所の近くに位置し、ここでTR010 HYBRIDの高性能ハイブリッドパワートレインが設計・開発・製造されています。
トヨタは1967年の富士24時間、1000kmレースで2000GTが勝利を収め、1968・69年には伝説的なTOYOTA 7で富士1000kmを制覇。その後1980年代の全日本スポーツプロトタイプ選手権で再び主役となり、1982年には日本で初の世界スポーツカー選手権も開催されました。
特徴的なのは1.475kmのホームストレートで、最高速は320km/hを超えます。第1コーナー進入では優れたブレーキング安定性が必要。終盤のテクニカルな第3セクターでは空力とメカニカルグリップ、そして立ち上がりの加速が鍵です。
2012年以降のWEC富士戦では12戦中9勝、15回の表彰台という圧倒的な成績を誇ります。


2026 年の FIA世界耐久選手権のシーズン開幕戦として予定されていた ルサイル・インターナショナルサーキットでの 10 時間レースは、10 月 24 日に開催されることとなり、隣国バーレーンで行われる最終戦の 2 週間前に位置づけられるシーズン最終戦前のラウンドとして実施されます。
「カタール1812KM」という名称は、1878年12月18日のカタール統一を記念して付けられています。レースは昼にスタートし、夕暮れから夜にかけて行われるため、気温が下がる中でタイヤ戦略が重要になります。
2004年にバイクレース用としてオープンしたルサイルは、1kmのストレートと中高速コーナーの組み合わせが特徴です。この構成に対応するには、直線でのスピードとコーナーでの空力的グリップのバランスが必要です。
高低差はほとんどありませんが、風向きの変化が車のパフォーマンスに影響します。特に第1コーナー進入での向かい風や追い風は最高速やブレーキ距離に影響し、インフィールドの流れるようなコーナーでは横風がドライバーを試します。
トヨタはまだカタールで表彰台に立ったことはありませんが、2024年の初開催ではニック・デ・フリースが予選2番手を獲得。これまでの2戦ではいずれも5位でフィニッシュし、ポイント獲得率は100%を誇ります。


5.412kmのバーレーン・インターナショナル・サーキットは、2026年シーズンの幕を閉じる舞台です。2012年以降、13シーズン中10回がここで最終戦として行われました。
首都マナーマから南へ約35km、バーレーンは近代的な中東モータースポーツの先駆けで、2004年にはF1を初開催しました。
15のコーナーは高速と低速が混在し、路面の摩耗性が高くグリップも強いため、タイヤマネジメントが特に重要です。
トヨタはここで圧倒的な戦績を誇り、直近9戦連続勝利。通算14戦で11勝、8ポールポジション、19回の表彰台を記録しています。
このレース後もイベントは続き、翌日には恒例の「WECルーキーテスト」が行われ、若手有望選手に走行機会が与えられます。


小林 可夢偉
チーム代表

中嶋一貴
チームディレクター

デビッド・フローリー
テクニカル・ディレクター
TR010 HYBRIDは、2026年のFIA世界耐久選手権ハイパーカークラスに挑むために改良された車両です。3.5リットルV6ツインターボエンジンを搭載し、2021年に初のWECハイパーカーとして発表され、新境地を切り開いたGR010 HYBRIDをベースとしています。
2026年モデルでは、フロントおよびリアのボディワークが変更され、新たな名称とアイデンティティを持つTOYOTA RACING TR010 HYBRIDとして生まれ変わりました。TOYOTA RACINGは、ワールドチャンピオンシップの奪還と、2022年以来となるル・マン制覇を目指し、激しいハイパーカーカテゴリーのシーズンを戦います。
TR010 HYBRIDは、TOYOTA RACINGのWECへの挑戦に取り組む、グローバルな協力体制を象徴しています。TR010 HYBRIDの心臓部であるレーシングハイブリッドパワートレーンは、東富士研究所で開発・製造され、その後ドイツ・ケルンに送られます。ケルンでは、東富士のパワートレーンエンジニアを含む、多国籍の専任チームがシャシーを設計し、車両全体を組み立て、世界に挑む準備をします。
TS030 HYBRIDは、WEC第3戦ル・マン24時間レースから2台で出場しましたが、第4戦以降は1台で参戦。ル・マンでは成績は残らなかったものの、続くシルバーストーンで2位、ブラジルで早くも優勝を遂げ、上海のレースでも優勝。さらに富士のレースではポールポジション、優勝と快進撃を続けました。WECフル参戦1年目でトヨタ・ハイブリッドシステムの威力を見せつけました。
ドライバー:アレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエール、中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、ステファン・サラザン、セバスチャン・ブエミ
レース: 6
勝利: 3
マニュファクチャラー順位:2位
ドライバー順位: 3位(ブルツ、ラピエール)
この年、TS030 HYBRIDは2012年モデルの進化型として開発されました。主な変更点は性能を向上させた日清紡製スーパーキャパシタの採用です。エンジンから530馬力、ハイブリッドシステムから300馬力を発揮し、総出力は830馬力に達しました。しかし、念願のル・マン24時間レースでは2位に甘んじました。シーズン終盤には富士とバーレーンで勝利を重ねました。
ドライバー:アレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエール、中嶋一貴、アンソニー・デイビッドソン、ステファン・サラザン、セバスチャン・ブエミ
レース:8
勝利:2
マニュファクチャラー順位:2位
ドライバー順位:3位(デイビッドソン、サラザン、ブエミ
新車TS040 HYBRIDを開発し、エンジン排気量は3.7リットルになりました。また、燃料流量が約20%絞られたにもかかわらず、出力は大きく減ることなく520馬力を維持しました。ハイブリッドシステムはデンソー製の後輪モーターに加え、前輪にアイシンAW製のモーターを搭載し、4輪駆動を実現。ハイブリッドシステムの出力は480馬力で、総合で1000馬力を誇りました。この年は全8戦中5勝を挙げ、マニュファクチャラー及びドライバー両選手権タイトルを獲得しました。ル・マンでは残念ながら、10時間を残してトップ走行中にリタイヤし、念願の優勝はなりませんでした。
ドライバー:アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴、アンソニー・デイビッドソン、セバスチャン・ブエミ、ニコラス・ラピエール、マイク・コンウェイ
レース:8
勝利:5
マニュファクチャラー順位:1位
ドライバー順位:1位(デイビッドソン、ブエミ)
2014年のチャンピオンカーTS040 HYBRIDの進化モデルでシーズンを戦いましたが、表彰台は開幕戦シルバーストーンと最終戦バーレーンの3位のみでした。チャンピオンチームにとって、WEC参戦以来最悪のシーズンとなりました。この年から、それまで日本のグラスルーツモータースポーツで採用していたTOYOTA GAZOO Racingの名前をトヨタの全モータースポーツ活動で採用し、WECでもトヨタレーシングからTOYOTA GAZOO Racingに変更されました。
ドライバー:アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ、アンソニー・デイビッドソン、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴
レース:8
勝利:0
マニュファクチャラー順位:3位
ドライバー順位:5位(デイビッドソン、ブエミ)
新設計のTS050 HYBRIDを投入。2012年以来初めてターボチャージャー(ツインターボ)を装備した2.4リッターV6直噴エンジンを搭載。出力はエンジンとハイブリッドシステムを合わせて1000馬力。蓄電装置は従来のキャパシタに代わりハイパワー・リチウムイオンバッテリーを採用しました。レースは開幕戦で2位に入りましたが、ル・マンでは残り1周まで首位を走りながらトラブルでストップし、目前の勝利を逃しました。この年は富士のレースで記録した1勝にとどまりました。
ドライバー:マイク・コンウェイ、ステファン・サラザン、小林可夢偉、アンソニー・デイビッドソン、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴
レース:9
勝利:1
マニュファクチャラー順位:3位
ドライバー順位:3位(コンウェイ、サラザン、小林)
TOYOTA GAZOO Racingは、大幅に改良された2017年型TS050 HYBRIDを3台ル・マンに出走させました。ル・マンではレース中盤までリードしたものの、1台はトラブルにより脱落、1台はトラブルでリタイア、さらに1台は他車との接触によるリタイアで優勝は叶いませんでした。しかし、予選で小林可夢偉が3分14秒791のコースレコードタイムでポールポジションを獲得し、TS050 HYBRIDの高い実力を証明しました。ル・マン後のレースでは中盤戦で一時足踏みしましたが、空力性能向上などにより終盤の3戦を3連勝で締めくくり、選手権2位となりました。優勝回数は5勝でライバルを上回りました。
ドライバー:マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス、アンソニー・デイビッドソン、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ステファン・サラザン、国本雄資、ニコラ・ラピエール
レース:9
勝利:5
マニュファクチャラー順位:2位
ドライバー順位:2位(デイビッドソン、ブエミ、中嶋)
2018年になるとハイブリッド車の参加がTOYOTA GAZOO Racingのみとなり、ハイブリッド車とノン・ハイブリッド車は同一カテゴリーとしてLMP1クラスに統一されました。また同時に、両車間のラップタイム差がなくなるよう技術レギュレーションが変更されました。TOYOTA GAZOO Racingは、TS050 HYBRIDの信頼性向上やトラブル対応策、戦略の徹底的な見直しなどを行いました。 こうした改善の積み重ねや体制強化の結果、2018年のル・マン24時間レースで、8号車のブエミ、中嶋、アロンソ組がノートラブルで388ラップを走り切り、トヨタが初参戦した1985年から実に34年目、出場20回目にして悲願の優勝を遂げました。さらにスーパーシーズン最終戦の2019年ル・マン24時間で連覇を果たしました。チャンピオンシップでは、トヨタが全8戦中7勝でチームタイトルを獲得し、5勝を挙げた8号車のドライバー3名がドライバーズタイトルを獲得しました。
ドライバー:マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、フェルナンド・アロンソ
レース:8
勝利:7
チーム順位:1位
ドライバー順位:1位(ブエミ、中嶋、アロンソ)
空力やハイパワー型リチウム電池の性能を向上させた改良型TS050 HYBRIDが開発されました。本シーズンより、従来からのEoT(技術の均衡化)に加え、ハイブリッドとノンハイブリッドのさらなる接戦を目的とした「サクセスハンディキャップ」制度が導入されました。 ル・マンでは8号車が3連覇を飾りました。一方、排気管トラブルにより30分の修復を余儀なくされた7号車は3位に終わりました。最終戦バーレーンでは、勝った方が世界チャンピオンという状況下で、7号車の小林可夢偉、コンウェイ、ロペスが勝利し、初のシリーズチャンピオンとなりました。
ドライバー:マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレー
レース:8
勝利:6
チーム順位:1位
ドライバー順位:1位(コンウェイ、小林、ロペス)
新開発のGR010 HYBRIDがデビューしました。この四輪駆動車は、フロントホイールに272馬力のモータージェネレーターを、3.5リットルV6ツインターボエンジンと組み合わせて680馬力を発生しましたが、レースごとの出力はバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)によって制御されます。ル・マン24時間レースでは、両車が燃料系トラブルに見舞われましたが、チームは迅速に対策を講じ、ワンツーフィニッシュを達成。これにより、4年連続のル・マン優勝を果たすとともに、マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスにとって待望のル・マン初優勝となりました。また、彼らはドライバーズタイトルを防衛し、TOYOTA GAZOO RacingはWECシーズン全戦勝利を達成した初のチームとなりました。
ドライバー:マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレー
参戦レース数:6
勝利数:6
マニュファクチャラーズチャンピオンシップ:1位
ドライバーズチャンピオンシップ:1位(コンウェイ、小林可夢偉、ロペス)
開発が制限される中、GR010 HYBRIDはタイヤとホイールのサイズ、およびそれに伴う若干のボディワークの変更が施されました。また、エンジンは2022年シーズンより新たに導入された100%再生可能燃料に対応するために調整されました。ル・マン後に参入したプジョーを含め、ハイパーカークラスはかつてないほど速さが拮抗した争いとなりました。 7号車、8号車ともにシーズン序盤でのリタイヤによりポイントリーダーを追う展開となりましたが、ル・マンでは新人の平川亮を迎えた8号車が優勝、7号車が2位で続き、チームの5連覇を1-2フィニッシュで飾りました。タイトル争いは最終戦バーレーンまでもつれましたが、TOYOTA GAZOO Racingは4シーズン連続でマニュファクチャラーズとドライバーのタイトルを獲得しました。
ドライバー:マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮
レース:6
勝利:4
マニュファクチャラー順位:1位
ドライバー順位:1位(ブエミ、ハートレー、平川)
ハイパーカークラスにはキャデラック、フェラーリ、ポルシェ、そしてヴァンウォールが新たに加わり、過去に例のない台数での最高峰クラスの戦いとなりました。TOYOTA GAZOO RacingはGR010 HYBRIDおよびミシュランタイヤで培った経験を活かし、全7戦中6勝と圧倒的な戦績を残しました。100周年記念大会となったル・マン24時間レースの結果が年間チャンピオン争いに大きく影響しました。ル・マンで2位となった8号車クルー(ブエミ、ハートレー、平川亮)に対して、他車の追突によりリタイアを余儀なくされた7号車クルー(小林可夢偉、コンウェイ、ロペス)は、年間4勝を挙げたにもかかわらずドライバーズ選手権2位となり、8号車クルーが2022年に続いてドライバーズチャンピオンに輝きました。 マニュファクチャラーズ選手権は、TOYOTA GAZOO Racingが最終戦のバーレーンを残し、地元富士スピードウェイで5シーズン連続のチャンピオンを決めました。
ドライバー:マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮
レース:7
勝利:6
マニュファクチャラー順位:1位
ドライバー順位:1位(ブエミ、ハートレー、平川)
新しいマットブラックのカラーリングは、TOYOTA GAZOO Racingとして、「モータースポーツ起点のもっといいクルマづくり」の継続的な進化にコミットしていることを表しています。車体内部では、さまざまな部品に細かな改良を加えて信頼性を最適化しましたが、最も目立つ変更はフロントヘッドライトで、グレア(眩光)を軽減するためにLEDの仕様を見直しました。これまでで最大規模となる9メーカーが参加したハイパーカークラスは、非常に白熱したシーズンとなりました。ル・マンでは惜しくも勝利を逃しましたが、7号車は負傷したマイク・コンウェイに代わりホセ・マリア・ロペスがドライブしました。最終戦のバーレーンでは、最後の数分で8号車が劇的な追い上げを見せてタイトルを決めました。
ドライバー:マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ニック・デ・フリース、ホセ・マリア・ロペス、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮
レース数:8
勝利数:3
マニュファクチャラーズチャンピオンシップ:1位
ドライバーズチャンピオンシップ:3位(小林、デ・フリース)
実績あるGR010 HYBRIDパッケージは、大きな技術的変更は行わず、2025年シーズンに臨みました。唯一のアップデートは、サイドポッドに新たに義務付けられたLEDパネルの追加で、これにより車両の位置やピットストップのタイミングが表示されるようになりました。他のハイパーカーがマシンを更新し、このカテゴリーでの経験を積む中、2025年シーズンは非常に厳しい戦いとなりました。
カタール、イモラ、スパ・フランコルシャンでの困難な状況の中で貴重なポイントを獲得しました。ル・マンでは不本意な結果に終わり、その後のレースでもGR010 HYBRIDは競争力を欠く苦しい展開が続きました。
シーズンを通じて表彰台なしで迎えた最終戦バーレーンでは、チームは状況を一変させ、見事なワンツーフィニッシュを飾りました。この結果、マニュファクチャラーズ世界選手権で2位を獲得することができました。
ドライバー:マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ニック・デ・フリース、ホセ・マリア・ロペス、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮
参戦レース数:8
勝利数:1
マニュファクチャラーズチャンピオンシップ:2位
ドライバーズチャンピオンシップ:6位(コンウェイ、小林、デ・フリース)

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